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幼き日々を過ごした広島、牛田新町。 不動院のすぐ隣。 ２〜６才の４年間、ここが私のすべてだった。

幽霊を見た経験が人生に１回だけある。 不動院の隣に住んでいた或る夜、 目の前にソレは現れた。 ついでに金縛り初体験でもあった。 布団に仰向けになったまま、微動だに出来ない。 口だけは動く。 私の叫び声に、隣の部屋で眠っていた母が来てくれた。 大人になった今でもハッキリ覚えているソレの姿だが、 母にはソレが見えなかった。 しまいに母は怒り出す。 泣き出す私（しつこい様だが幼児だ）。

しばらくして、身体が突然動いた、 と同時にソレの姿がスッと消えた。 不動院のお墓はウチとは反対側なのだけど。。。

その後、小学校に上がると同時に引越し、 今回ン十年ぶりに不動院を訪れた。 そして、 この「８月６日の不動院」を読んで、初めて知った。

不動院は、 かつて「被爆した人達が郊外へ逃れる道筋」にあった。 「息絶えた人も多かった」場所。 霊の現世での存在は信じていないのだが、 それでも、何かが朧な形で現れたのだろうか。